貿易の条件にはよくインコタームズ(INCOTERMS)と言う単語が出てきますが、これは一体誰が何の為に決めたものなのでしょうか?
このインコタームズの中には、現在、13種類に渡る貿易条件が規定されています。


先ず、インコタームズは法律的な拘束力が無いと言う事を注意しなければなりません。
インコタームズはICC(国際商業会議所)が規定した貿易条件の解釈に関する国際規定です。
国が異なる貿易と言う国際取引であっても、共通の解釈の基に仕事を円滑に進ませる為のガイドラインなのです。
このインコタームズの貿易条件の中で特によく使われるのが、あのFOBであったりCIFであったりする訳です。
13種類の貿易条件は、大きく下記の4グループに分かれます。
下に行けば行く程、買い手の負担は小さくなりますが、その分コストが高くなるのが予想されます。
1.Eグループ(出荷)
売り手が自社の施設内で商品を買い手に引き渡す条件です。
買い手がトラックなどで売り手の工場まで取りに行く場合などが該当します。
この中にはEXW(工場渡し)の1条件しかありません。
2.Fグループ(主要輸送費抜き)
売り手が買い手の指定した運送業者に商品を引き渡す条件です。
指定されるの運送業者=手段にはトラック、船、飛行機などがあります。
この中にFOBは入り、全部で3条件あります。
3.Cグループ(主要輸送費込み)
売り手は運送の手配まで行いますが、危険は買い手が負担しなければならない条件です。
この中にCIFやCFR(旧:C&F)は入り、全部で4条件あります。
4.Dグループ(到着)
売り手が運送だけでなく、その危険も負担する条件です。
関税など全てを込み込みでドアデリでお願いしたいのであれば、DDP(Delivery Duty Paid)が該当します。
全部で5条件あります。
それぞれのグループに属する貿易条件は、アルファベット3文字で表記されます。
こちらの記事で13種類全てを確認できます。 リンク:インコタームズ(INCOTERMS)2000の貿易条件について
国際間での取引はEグループは難しいので、やはりFグループが主流になります。(若しくは全負担のDDP)
いずれにせよ、貿易の仕事は自社内で全て完結させる事は出来ないので、船社さんや乙仲業者さんなどに協力をしてもらう必要があります。
最初はハードルが高いかもしれませんが、基本的にはFOBで取引を行うのが一番リーズナブルでしょう。