国際貿易取引では、あなたの大切な商品/貨物は船や航空機で輸送されます。
ちょっと考えてみてください!
考えてみると輸送中に起こり得る危険って、結構いっぱいあると思いませんか??
例えば船が沈没してしまったらどうしよう・・・・
とか、


バミューダ海域で飛行機が行方不明になったらどうしよう・・・
などなど。


そうです。
そんな不安とおさらばする為に、今回は海上保険のお話をしましょう。
貿易は海外と言う社会・文化などが異なる外国との商売ですから、日本からは予想も出来ないような危険と常に隣りあわせということも忘れてはいけません。
こんな不安をどうやって解消するのか。
・・・その答えは『海上保険』にあります。
今日の貿易取引では、売主と買主双方の利益を守るため、また同時に、銀行も安心して貿易金融を行うことができるように、『海上保険』を付保してリスクに備えることがとても重要となっています。
ここで、海上保険の基本的な種類を簡単に解説していきます!
通常の貨物海上保険では下記3つの基本的な保険条件が採用されています。
【3つの基本保険条件】
1)分損不担保条件(FPA/Free from Particular Average)
大火災、船の沈没、座礁、衝突、爆発 以外の分損(貨物の一部の滅失や損傷)は填補しない。
2)分損担保条件(WA/With Average)
1)FPAがカバーする損害+海固有の危険による分損(貨物の潮ぬれ損害など)が一定の割合以上の場合に填補する。
3)全危険担保条件(オールリスク条件:All Risks)
1)FPA、2)WA でカバーする危険のほか、貨物の火災、破損、盗難、紛失、など外的要因による偶発的な損害を填補する。
この3つ基本的な保険条件の中で需要が高いものは、やはり 3)全危険担保条件(オールリスク条件:All Risks)ですね。
保険料率が他の条件よりも高いのですが、填補範囲が広く、大切な製品などの輸出入には便利な条件だからです。
但し、注意が必要なことがあります!(他のどんな保険契約にも当てはまることですが)
保険証券(保険契約締結後発行される証券)に記載されている危険(担保危険)によって発生した損害でなければ、保険金は支払われないので注意が必要です。
海上保険でカバーされる損害は、その損害の種類・状況・保険条件によって異なります。保険契約を結ぶ際は貨物および運送の内容に合わせた保険条件を選ぶことが重要ですね!
用語がわからないあなたへ!
【保険用語一口メモ】
“付保(フホ)” 保険 を 付ける ので“付保”といいます。
こんな風に使ってください。→ 火災保険に加え、地震保険も付保しているから安心なのです。“填補(テンポ)する” 保険会社が損害に対して保険金を支払うことを“填補(テンポ)する”と言います。
“担保(タンポ)” 担保と聞くと、債務・債権の弁済をするために交換とする物品という意味合いがありますよね。
ですが保険の場合では、保険金が全く支払われない場合などが不担保、支払ってもらえる場合が担保、を指します。“保険料率” 契約者が支払う保険料を計算する尺度です。これが高くなればなるほど支払う保険料も高くなります。