TPPがさかんに議論されていますが、輸入関税がどうなろうと輸入時に避けて通れないのはHSコードです。
HSコードとはなんでしょうか?
● 関税率を決定する実行関税率表の元となる条約がHS条約です。これは各国の関税率表の品目分類等を統一するもので88年に発効されています。
●いままで4回改正がありました。今回の改正品目表は2012年1月1日より適用されます。
今回の改正はどのような観点からおこなわれたのでしょうか・・・・・・・
前回のブログではTPPをTTPと間違って記載してしまい、指摘を受けてしまいました。やはりきちんと確認が必要ですね。
しかし[TTP 反対]でGoogleで検索するといろんな検索結果が出てきます。
名前を覚えられる前に参加するしないの議論が先走っている感じでしょうか?
今回は引き続き関税率についてです。
APECを前に参加する・しないで議論されている環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定TPPでは特に農産物について非常に抵抗しているようですね。しかし本当の目的は医療や放送、保険などの市場開放にあるようとも言われています。米韓TPPの合意を読むと「こりゃいかん!」というような取り決めもあり、21世紀版の日米修好通商条約じゃないかとも一部では言われております。 今回はTTPの参加反対を掲げる前に、いま輸入品に関税がいくらかかっているのでまとめました。
今回はキャッチオール規制と実務面での対応についてまとめてみましょう。
下記はMETIサイトのFAQからの抜粋です。
Q1輸出の時点では客観要件に該当していませんでしたが、輸出後に、輸出した貨物、需要者に関する懸念情報を新たに入手しました。
この場合は違法輸出に当たりますか。
A1:違法輸出に当たりません。
Q2:入手した文書等には、「入手することが可能な文書等」も含まれるのですか。
A2:含まれません。輸出の時点までに実際に入手している文書等について客観要件のチェックを行って下さい。
契約の時点で「○○兵器製造に使用します」「最終的には○○国に迂回して送られます。」などと契約書に記載するお客様はいないかと思います。
受発注もWEBやシステムを使用して行っている企業が非常に多くなっていますし、1日何百件の受発注を行っているのに
客観要件のチェックを都度行うことは時間的に不可能です。
しかしこのような場合はどう対応すればよいでしょうか?
今回は貿管令の部分品規定とデミニマスルールについてまとめようとしましたが、前者だけでけっこうかかるので2回にわけます。
組込み品(内蔵品)の判定要否に関する法令規定
部分品規定は知っておくと便利ですが、関係当局は訊かれると答えてくれる程度でここの運用方法を大々的に広めるという努力はしていません。
このような重要な規則が法律や省令のレベルではなく、運用通達まで掘り下げていかないとわからないというのは如何なものでしょうか。
別表1の1から15に該当していない機械Aの中に別表1の1から15に該当している機械Bが組み込まれている時はどうなるか?という問題の解釈です。
「輸出令別表第1の解釈」のまとめです。
輸出令別表第1の1~15項までの中欄に掲げる貨物(所謂リスト規制品)であっても、以下のものは
リスト規制品でない貨物として扱う。
1)かつ2)ならばBはリスト規制品でない貨物として扱われます。
(Aの解説)「他の貨物の部分となっている」とは?
(Bの解説)他の貨物の主要な要素となっているか否かについては、
組み込まれている貨物の値段で判断します。
A、別表第1の項の番号の下の括弧レベル毎に含まれている部品を分類する
(同一の分類の貨物が含まれる場合は、合計する)
B、組込先の他の貨物の価額の10%を超えない場合==>他の貨物の主要な要素となっていない
3)電子部品の場合。
半田付けの状態にある場合には他の貨物と分離しがたいと判断。
こちらは別1の8項に別途規定があるので割愛します。
まとめ
1)は許可逃れて輸出したいから部品を無理やり取り付けるのはダメです。という程度の確認
2) の価格構成比率がメインの判断基準となろうかと思います。
3) はこの通達とは別に8項での確認が必要になってきますがここでは割愛します。
「組み込まれているから必要ないよ。該非判定は本体ですればいい」と認識する人にはこの通達を知っておかないと外為法違反となる恐れがあります。
逆に部品メーカーとしては「当社の部品は御社の製品価格10%を超えない部品であるから許可申請不要ですよ!」という感じで”該当品にならない”ということを強みとして
セールスすればいいんじゃないでしょうか。(意図的に価格を下げるのはよろしくないでしょうが)
今日は部分品の通達についてまとめてみましたが、省略した部分もありますので誤解を生むような箇所があるかもしれません、若干の相違についてはご容赦ください。
次回はデミニマスルールについてまとめてみます。
米国の規制分類番号(ECCN)番号との比較
参加国の法令は国際レジームであるAG,ワッセーナーアレンジメンでの決定に準じて各国が法令改正をおこなっています、WCOでのHS改正に対応して各国が法改正をおこなっているのと同じようなものです。
HSは各国で若干が違いがあるもののほぼ共通で、(税関の判断により若干見解が異なる
などもありますが)比較的各国の対比を見ることは簡単です。
しかし、貿管令別1貨物等省令番号と米国のECCN番号には全くの相関関係がありません
米国とEUの基準は若干の違いはあるものの先頭の番号は似通っていますので対比することはそう難しくありません。
日本の法令はまさにガラパゴス化しているのでは?と実務をやっていて非常に強く感じます。
いまから原産地証明申請!!!?
それはほとんど夕方四時近くのことでした。雨がそぼ降る蒸し暑い日でした。
現場仕事からへとへとで事務所にもどってみると一枚の原産地証明依頼書が・・・
申請受付は基本16:00までなので今からだと最短でも段取りやら作成~チェックやらで小一時間はかかるので
ご依頼者様に丁重に明日の申請になる旨をご連絡しました。
と・こ・ろ・が
こんにちは。ワートレ!です。
貿易実務に携わっているあなたなら、さまざまな”世界貿易のルール”があることをご存知ですよね。
別の記事『“貿易自由化”ってそもそも何のことを言うの?』では、”貿易自由化”についてお話しさせてもらいました。
貿易の自由化を進めていくことはとても大切なんですが、自由化を進めるためにはまず、”世界のルール”を決めなくてはなりません。
今日は”貿易自由化”という言葉をポイントにして、WTO(ダブリューティオー) 世界貿易機関(World Trade Organization)について説明しようと思います。
まず事例を使い、関税のお話から入らせてもらいます。
この図のように、B国とC国から同じ価格/品質の時計をA国が輸入しようとした場合に、B国の時計にかかる関税が0%、C国の時計にかかる関税が40%だったとします。

B国の時計は関税がかかっている分、もともとの価格よりも高い値段でA国内で売られることになります。
A国の人たちは”同じ品質なんだから安いC国の時計を買おう”と言うに決まっていますね。
ということは、B国の時計はA国では売れません。
この例では、A国は貿易相手国であるB国とC国間で時計の輸入にかかる関税の差別を行っていることになります。
ここで世界のルールの登場です。
【貿易相手国間で輸入にかかる関税の差別を行ってはならない】というルールがあったらどうでしょうか。
かかる関税が同じになるため、B国の時計もC国の時計も同じようにA国で売ることができるようになるわけです。
貿易相手国の間で差別をなくすということは、貿易の自由化を行う上でとても大事なルールなんですね。
このように世界で自由にモノやサービスなどの貿易ができるようにするためのルールを決める場として重要なのが、WTO 世界貿易機関(World Trade Organization)なんです。
WTOは、1995年にスイス/ジュネーブで作られた国際機関で、現在153の国と地域が参加しています。
WTOの全身であるGATT**の時代から、下記のような交渉を行ってきているんですね。
- 関税を引き下げる交渉
- 非関税障壁=関税以外の方法で輸入制限などを行うこと
- 知的財産権の保護=発明者たちの権利を守ること
などなど・・・
**GATT: 貿易に関する基本的なルールとして1948年に作られたもの。
日本語では”関税および貿易に関する一般協定”と言われます。
GATTの役割をより強化して引き継いだものがWTOであり、WTOでは世界で自由に貿易ができるようにするためのルール、貿易に関して起こったもめごとを解決すつためのシステムを作っています。
これからもワートレでは様々な情報をお届けしていきます。
どうぞご期待ください!
こんにちは。ワートレ!です。
突然ですが、”貿易自由化”というワードをご存知ですか?
あぁ、なんとなく、とか、聞いたことはあるなぁ、くらいでもやっとしているそこのあなた!
ワートレがわかりやすく”貿易自由化”について解説していきます。
貿易実務に携わっていると、モノの輸出・輸入を行う際、関税がかかることがあるということは、
あなたならご存知ですよね?
そもそも、関税って何?というあなたにかなりざっくり簡単にご説明しますね。
【関税とは】・・・モノが国境を通過するときにかけられる税金のこと
*税金収入を得る目的でかけられるもの・・・財政関税
*国内の産業を守る目的でかけられるもの・・・保護関税
などなど・・・
この関税、これが高額の場合、輸入(輸出)したモノは元々の値段よりも高い値段で輸出(輸入)国で売られることになります。
値段が高いと、その国の中ではそのモノをたくさん買ってもらえない可能性があるので、貿易をする人は関税が高い国への輸出(輸入)を遠慮しよう、と考えるのが普通ですね。
関税をかけることによって、国内からの外国(国内)からの輸出(輸入)の量を抑えることができるわけです。
また、輸入(輸出)許可の基準や条件を厳しくすることでも同じ効果が期待できます。
税収や国内産業保護の面ではメリットはありますが、貿易を行う人からみたらどうでしょうか?
関税が高かったり、輸出入の基準が厳しかったりすると、大きな障害となります。
また世界の貿易の流れを止めてしまうことにもなるわけですね。
”貿易自由化”とは、その障害となるものを少なくしたり、なくしたりすることを指します!
”貿易自由化”行うことで、輸出入の流れがスムースになり、自国の製品を他国にたくさん売ることが可能になったり、
他国からたくさんの製品が自国に入ってくるようになり、安くて良い製品などを手にすることができるようになるわけです。
簡単に”貿易自由化”についてお話しさせてもらいましたが、”貿易自由化”を進めるにあたって重要な機関(WTO)や、
様々な協定(FTA やEPA)がありますが、そちらについてはまた改めてお話することにします。
これからもワートレでは様々な情報をお届けしていきます。
どうぞご期待ください!