こんにちは。ワートレ!です。
貿易実務に携わっているあなたなら、さまざまな”世界貿易のルール”があることをご存知ですよね。
別の記事『“貿易自由化”ってそもそも何のことを言うの?』では、”貿易自由化”についてお話しさせてもらいました。
貿易の自由化を進めていくことはとても大切なんですが、自由化を進めるためにはまず、”世界のルール”を決めなくてはなりません。
今日は”貿易自由化”という言葉をポイントにして、WTO(ダブリューティオー) 世界貿易機関(World Trade Organization)について説明しようと思います。
まず事例を使い、関税のお話から入らせてもらいます。
この図のように、B国とC国から同じ価格/品質の時計をA国が輸入しようとした場合に、B国の時計にかかる関税が0%、C国の時計にかかる関税が40%だったとします。

B国の時計は関税がかかっている分、もともとの価格よりも高い値段でA国内で売られることになります。
A国の人たちは”同じ品質なんだから安いC国の時計を買おう”と言うに決まっていますね。
ということは、B国の時計はA国では売れません。
この例では、A国は貿易相手国であるB国とC国間で時計の輸入にかかる関税の差別を行っていることになります。
ここで世界のルールの登場です。
【貿易相手国間で輸入にかかる関税の差別を行ってはならない】というルールがあったらどうでしょうか。
かかる関税が同じになるため、B国の時計もC国の時計も同じようにA国で売ることができるようになるわけです。
貿易相手国の間で差別をなくすということは、貿易の自由化を行う上でとても大事なルールなんですね。
このように世界で自由にモノやサービスなどの貿易ができるようにするためのルールを決める場として重要なのが、WTO 世界貿易機関(World Trade Organization)なんです。
WTOは、1995年にスイス/ジュネーブで作られた国際機関で、現在153の国と地域が参加しています。
WTOの全身であるGATT**の時代から、下記のような交渉を行ってきているんですね。
- 関税を引き下げる交渉
- 非関税障壁=関税以外の方法で輸入制限などを行うこと
- 知的財産権の保護=発明者たちの権利を守ること
などなど・・・
**GATT: 貿易に関する基本的なルールとして1948年に作られたもの。
日本語では”関税および貿易に関する一般協定”と言われます。
GATTの役割をより強化して引き継いだものがWTOであり、WTOでは世界で自由に貿易ができるようにするためのルール、貿易に関して起こったもめごとを解決すつためのシステムを作っています。
これからもワートレでは様々な情報をお届けしていきます。
どうぞご期待ください!