ビジネスにおいて、調達と購買という言葉を聞いたことがある人も多いでしょうがほとんどの人がその違いがよく分からず頭の中でゴッチャにしたままではないでしょうか?
いきなり、端的な答えから羅列していきます!
そしてもう一方、
つまり、調達は製品やサービスを必要な状態で手配することを指し、購買は製品やサービスを購入することを指します。
…どうです、わかりましたか?
調達と購買の違いをもっと詳しく
調達は、企業が必要とする製品やサービスを、適切な数量、品質、価格、納期、場所などに合わせて入手することを指します。
だから調達にはサプライチェーンマネジメントや物流などの全体最適化の観点からビジネスの効率化を図ることが求められるので、サプライヤーの調査や選定が最重要課題となってきます。
一方、購買は、製品やサービスの購入、契約交渉、コスト削減などを通じて、企業が必要とする製品やサービスを入手することを指します。
だから購買には、製品やサービスの品質や納期などを考慮して、既存のサプライヤーとのガンガンとした交渉が重要になってくる訳です。
調達と購買は、両者ともに企業の製品やサービスを入手することを目的としていますが、アプローチの仕方が異なる訳ですね。
まとめると調達は俯瞰して入手先の確保に力点が置かれどちらかと言えば前段階で、一方の購買は局所的に製品やサービスの購入に力点が置かれて後段階という感じになるのではないでしょうか。
調達と購買の流れ
以前は手や目が届くところからしか調達も購買も出来ませんでしたが、世の中の流れに伴い、ザックリザックリ下記の様な流れがあったと考えています。
大凡の年代 | 内容 |
---|---|
1800年代 | 工業化が進むにつれ、企業が必要とする高品質な原材料や製品を入手するために調達の重要性が高まる |
1900年代 | 調達の中心は、入手先を確保するだけでなく、生産プロセスの最適化やコスト削減に変化すしていく |
1960年代 | 購買活動が注目されるようになり、契約交渉やコスト削減、品質管理などの活動が行われるようになる |
1980年代 | サプライチェーンマネジメントが注目され、企業はより効率的に調達を行うために、サプライチェーンの管理に注力するようになる |
2000年代以降 | インターネットが普及し始め、オンライン上のマーケットプレイスを活用する企業が増加していく |
調達はSourcingなのかProcurementなのか?
調達はProcurementと英訳される場合がありますが、Procurementは契約交渉や受注、発注、輸送管理などの実際のプロセスを指している感じなので、どちらかと言えばこれは購買のイメージです。
どちらが絶対の正解と言うことは無いのでしょうが、調達はSourcingと言う源=上流から行うイメージの方が適しているような気がしています。
しかしながら業界や国によって違うでしょうから、注意して使い分けるようにしてください。
調達と購買の今後の見込み
調達と購買に関しても、これからはデジタル技術の活用が加速されていくことが予想されています。
例えば、AIやIoTを活用した自動化や予測分析などによるサプライチェーンの可視化や、クラウドソーシングなどを通したサプライヤーとの協業体制の変化などは大注目されています。
その流れは実際に自動車産業などでは顕著で、重要部品に対しては一部の優良サプライヤーとの提携を強化する一方、そうでないモノに対してはオンライン上のマーケットプレイスで世界中のサプライヤーから提案を受け付けていたりしているようです。
更にグリーン調達やサステナビリティに関する取り組みも注目され、世界的に気候変動や環境問題が取り上げられる中、ビジネスにおいても地球環境に配慮した調達や購買が求められるようになってきているので、今後も調達と購買から目が離せませんね!