輸出商売でも、準備段階で主役となるのは、やはり信用状(L/C:Letter of Credit)、”エル・シー”ですよね。
外国との貿易取引では、輸出者は遠隔地の輸入者の信用調査が十分にできないことがあります。
ようやく契約まで結ぶことができたが、本当にこの輸入者は貨物の代金を支払ってくれるだろうか?
代金を前払い送金してもらう以外に、輸入者からの支払いの保証がないし、安心できないなぁ・・・。
こんな不安を解消してくれるのが、信用状(L/C)なのですが・・・。


信用状(L/C)とは、輸入者が取引銀行に依頼して発行してもらう銀行の買取保証書のことです。
輸出者は輸入者から直接代金を受け取るのではなく、一度L/C発行銀行で貨物を買い取ってもらいます。
その銀行から代金を受け取るシステムになっているので、輸出者は確実に代金を受け取ることができるのです。
信用状(L/C)の機能からすると、輸出者は確実に代金の受け取りができるシステムになっていますが、注意しなければならないことがあります。
輸出の準備段階では、輸出者は信用状(L/C)の内容に従って輸出手続きを進めてゆくことになります。輸入者から信用状(L/C)が届けば、輸出者はひと安心してしまうところなのですが、L/C取引における注意がある事もお忘れなく!
- 発行した銀行が信頼のおけるところなのかどうか?
- 発行した銀行の所在する国が大丈夫なのか?
これらを見極めることも大切です。
政治経済状態が不安定な国を取引先とするときは慎重になるべきです。
私は以前、某国から届いた信用状(L/C)の買取りを日本の銀行から拒否されたことがありました。
信用状(L/C)発行国の経済が極度に悪化し、その国の外貨が底をついていたのです。
そのため代金の受け取りができなくなってしまい、貿易保険で回収するはめになったのです・・・。
今日の世界情勢は、決して安定的と言えません!
国家の政治経済情勢は、その国の開く信用状(L/C)の信頼性にも影響を及ぼすことを、是非お忘れなく!!
- より信頼度のある第三国銀行の確認(Confirmation)を信用状(L/C)につける
- 貿易保険を付保する
少しでも取引先に対し不安がある場合は、このように信用状(L/C)の他にも、様々な対策を検討しておいたほうが良いかもですね。