輸出入では、国と国との間で商品やサービスを交換することとなります。
異国感の商取引ですから、大切なことと言い出せばキリが無いのですが、最重要と思われるのがモノ・カネ・カミの3つを抑えることと言われています。
だからこちらではそれら3つにスポットライトを当てて、注意しなければいけない点などについて整理していきたいと思います。
モノ(=貨物)
モノは買主にとって最重要と考えて良いのではないでしょうか。
なぜならばそもそもモノを手に入れる為に、国を跨り七面倒臭いことを行っている訳ですから。
いずれにせよモノを扱う際には様々な問題が発生してしまいます。
代表的なのが品質の問題でしょう。
製造上の問題などであれば論外ですが、長距離を輸送される間の振動・衝撃や温度・湿度変化は品質に多大な影響を与えてしまいます。
品質問題を発生させない為には適切な梱包、輸送方法の選択に注意しなければなりません。
例えば大きな精密機械であれば、バリア梱包で真空とする事で結露を防ぎ、更に木枠梱包でズレや衝撃を受け辛い様にすべきです。
腐り易い食品であればリーファー(冷凍/冷蔵)コンテナに積んだり、現地まで早く届くエアー便などを使用すべきと考えられます。
カネ(=金)
一方で買主とは異なり、売主にとってはカネが最重要と考えられます。
やはりカネにも様々な問題が尽きません。
その中でもシビアなのがカネの受け渡しのタイミングでしょう。
それこそ国内ならば出来るのですが、買主にとっても売主にとっても双方にファアなのは唯一Cah On Delivery(COD)。
要は商品を見ながらお金と交換すると言う、私達が日常で行っている取引形態です。
しかしながら国が異なる場合は、勿論CODは出来ません。
そうなると商品を受け取る前に払うのか、後に払うのかのいずれかとなってしまう訳です。
例えばモノを受け取る前にお金を払うのであれば、買主にとってはリスクとなってしまい、それが逆であれば売主のリスクとなってしまう訳です。
L/C(Letter Of Credit)と言う仕組みもありますが、手間とコストの問題で使われているケースはあまり無いように感じています。
更にカネには為替変動リスクと言うのも付きまといますので、本当に支払うタイミングには注意しなければなりません。
カミ(=書類)
見過ごされがちですが、輸出入を進めていくにはカミの存在もとても重要です。
国を跨り正確な情報を管理するには文書主義を貫くしかないので、輸出入では膨大なカミが存在している訳です。
その中からこちらでは最も大切な3つの書類だけ紹介します。
- Invoice(請求書):商品の値段や数量、支払方法などが記載された書類で、税金や保険料の計算などに使われます。
- Packing List(荷役明細書):商品の内容や数量、梱包の仕方などが記載されており、輸送中の商品の管理や検査に役立ちます。
- Insurance Certificate(保険証明書):商品の輸送中に起こる損害や盗難などに備えて、商品の保険に関する情報が記載された書類です。
近年ではデジタル化が進み、書類の電子化やオンラインでの送受信が一般的になり、取引のスピードアップやコスト削減が実現されきています。
しかしながら依然として一部の書類ではカミが必要であったり、国や業界によってはカミのオリジナルが必要とされたりするので、未だ暫くはデジタルだけでなくカミも必要だという混沌が続いてしまいそうな気配です。