何事も安心して進めていく為には、保険という存在が気になるものです。
輸出入ビジネスはギャンブルではありませんから、万一の事を考えるとやはり保険は掛けておきたいもの。
一発で大儲けを狙うよりも、リスクをコストに替えて中儲けを何度も繰り返すべきなのがビジネス。
ではどんな保険が?…と言う中から、こちらでは輸出入のメインとなる船便を想定した海上貨物保険に対して解説していきたいと思います!
海上貨物保険とは?
海上貨物保険とは輸出入の貨物を海上で輸送する際に発生するリスク(遭難、盗難、破損など)に対して保険会社が補償を行う保険のことです。
貨物の価値や輸送距離、輸送航路、輸送方法などに応じた保険料がかかりますが、ザクッと言えば貨物価値の1%~2%程度が相場と言うところでしょうか。
万一の事故が発生した場合には保険金が支払われることで、輸出入ビジネスのリスクを軽減することができます。
様々な保険会社から様々な海上貨物保険が出ていますが、下記に少しだけ例として紹介します。
各保険会社には独自のプランやサービスがありますので、自社のニーズに合った保険を探し、比較し、選ぶことが重要ですね。
海上貨物保険の想定は?
まず海上貨物保険はどのような人達がどのようなシーンを想定して掛けるべきか整理すると下表のような感じとなります。
保険を掛ける人、企業 | 保険求償のシーン |
---|---|
|
|
左列の人達が右列の自体になった時に、失った貨物の代わりとしてお金を受け取る為に掛けている保険なのです。
…しかしながら、そうですよね。
貨物の分だけお金をもらったとしても、事故が起きるまでに輸送費用などが発生していますし、事故の後も何らかの追加費用(救助費用や調査費用など)が発生する可能性があるので、貨物代金相当だけではやはりマイナスとなってしまいます。
だから通常はそれらを加味し、万一の際には貨物価値の110%程度が戻ってくるように保険を掛けるのですね。
まあそれらは契約内容次第なので、そこは保険を掛けるにも腕が必要というところでしょうか。
海上貨物保険の注意点
保険は不幸の宝くじ…ではないですが、外れ続けている時は何も考える必要がありません。(…お金がザクザク取られているだけで。)
しかしながら当たってしまった時は、貨物に事故があった際には、その説明責任が発生してしまうのですよね…しかも可及的速やかに。
- 事故の発生日時、場所
- 事故の概要と被害状況
- 被害貨物の内容と数量
- 関係者の連絡先(運送業者、荷主、受取人など)
証明が必要な事項
- 貨物の価値(商業請求書、
- パッキングリスト、関税証明書など)
- 損害の程度(損害調査報告書、写真、見積書など)
- 事故発生時の状況証明(船荷証券、運送状、事故報告書など)
ねえ…面倒ですよね。
それこそ1,000%とか戻ってくるのであればまだしも。
海上貨物保険のまとめ
とは言うものの、万一の際には全損プラス追加費用となってしまい、本当に泣きっ面に蜂どころの騒ぎどころではなくなってしまう訳ですから、保険はやっぱり必要だと考えます。
これからはグローバルな取引が増加し、ITなども進化する事で、より柔軟で効率的な保険サービスが提供されていくのでしょう。
環境問題への対応やサプライチェーンの安定化が求められる中、保険商品の多様化が進むことが期待されます。
いずれにせよ自社の輸出入ビジネスに適した保険を選ぶことが自社の命運を分けかねないと理解し、複数の保険会社のプランを比較検討していきましょう!