国際貿易においてよく使われる用語の一つであるFOBとはFree on Boardの略称です。
商品の所有権が相手国の船舶や飛行機などに荷積みされた時点で、その商権やリスクが買主に移転するという取引条件です。
…と言うのが一般の教科書的回答ですが、いきなりこれであなたは理解出来ますか??
もうちょっと優しくFOBとは?
国際貿易では様々な揉め事が起きてしまうので、国際的なルールが必要だと言う事は想像に難くないかと思います。
その様なルールを制定する為の機関として、1919年にICC(International Chamber of Commerce=国際商業会議所)が設立されました。
そこで制定された国際商取引条項集がINCOTERMS(インコタームズ)であり、 その中の一つがFOBと言う訳なのです。
ICCやインコタームズについては下記リンク先を参照下さい。
...で、FOBとは?もっと具体的に!
船舶での輸入を想定して図解すると、責任の境界線は幾つにも分かれるのですが、FOBは下図の上から3つ目の貿易条件になります。
FOBは日本語では本船渡し条件と訳されますが、その日本語訳が表す通り貨物が船積みされた時を境に所有権などが買主へと移動すると言う条件なのです。
売主(輸出者)は船舶に積み込まれるまでの、費用とリスクを負担しなければならない訳です。
逆に言えば買主(輸入者)はそれ以降の費用とリスクを負担しなければいけません。
何でFOBが最も一般的なのか?
それは…双方にとってコスト的なメリットが一番大きいからです!
買主(輸入者)にとってはCIFやドアデリの方が楽ではあるのですが、その分コスト負担は大きくなってしまいます。
その場合は売主が海上貨物保険などもアレンジ、負担しなければならないので、その分の手間賃と言うのが付加されてしまうのが普通です。
FOBで気をつけなければいけない事は?
海上貨物保険や国内での通関は買主の方で行わなければなりません。
保険はタイムリーに掛けなければ意味が無いので、忘れない様に注意をする必要があります。
買主は自分の費用として、海上貨物保険、輸入費用などを自分で負担しなければならないので、コスト計算にも予め組み込んでおく必要があります。
コスト計算に忘れがちなものとして関税もあるので、輸入の原価計算は色々と慎重に調査をしておかないと、「こんなはずじゃなかった・・・。」の連発になってしまうので経験のある人に相談をした方が…やっぱり安心ですよね!
(ご相談お待ちしています。 m(_ _)m )