BAFやCAF、サーチャージって一体何なんだ?

『サーチャージ(Surcharge)』って、最近では旅行会社のCMでも出てきますよね。
サーチャージとは、Sur(超える)と言う接頭辞にCharge(請求)が組み合わさり、簡単に言えば割増料金の事。

社会的情勢によって価格が大幅に上下するものは、基本料金とは別建てで、このサーチャージ制を利用して請求する事が多いのです。

軽く騙されている様な気もしてしまいますが、例えば原油だとか為替だとか、ジェットコースターの様に目まぐるしく変動する幅を吸収するのは確かに難しいでしょうから、むしろサーチャージ性は最も合理的なのかもしれません。

貿易関連の見積書、あなたはちゃんと読めていますか?

貿易実務では、フォワーダー(乙仲)さんとのやり取りの中で海上運賃の独特な用語に出会うことが多くあります。
請求書やお見積もりをもらう際に、今までに目にしたことの無い用語がたくさんあり、戸惑っていませんか?
特に、経理で請求書の内容チェックをされる場合や、誰か人に説明しなければならない場面に遭遇した場合、かなり困っちゃいますよね。

今回は海上運賃で使用される用語の中から『BAF』や『CAF』をご説明しましょう。

海上運賃は基本的に、ベースレート(基本料金)に、BAF、CAFなどのサーチャージがプラスされて構成されています。
そのほかのサーチャージとしては、セキュリティー費用、運河航行(スエズやパナマ)する際の費用、貨物量が激増する季節に課せられるピーク・シーズン割増費用・・・などなどがあります。

見積書や請求書の記載表現も、会社によって変わります。
例えば、こんなパターンがありますね。

①サーチャージをすべて一括にまとめて【海上運賃はオールインで350ドル】
②サーチャージを別々に、【海上運賃はベースレートが300ドル、BAFが30ドル、CAFが20ドル】

①の一括まとめならば、難しいことは無いのですが、②のように別々に項目を設けられている場合のBAF、CAFは曲者です。

どんなチャージなのか説明しなくてはいけなくなってしまったときのために、要メモですよ!!!!

BAF(Bunker Adjustment Factor)訳:燃料費調整係数

燃料費の高騰があった場合に海上運賃に付けられる付加料金のことです。
航空便の場合は『Fuel Surcharge』といったほうが一般的ですね。
さらに航路によって異なる名称が使われることがあります。
出会ったことがない言葉でも、BAFと同意なので戸惑うことはありません!

【同意の名称をもつ用語】
BS (Bunker Surcharge)
EBS (Emergency Bunker Surcharge)
EFAF (Emergency Fuel Adjustment Factor)
FAF (Fuel Adjustment Factor)  
           など

一般的には、コンテナ単位/トン単位 で価格が決められています。

CAF(Currency Adjustment Factor) 訳:通貨変動調整係数

海上運賃は基本的にUSドル建が多いので、近年の円高/ドル安傾向に対する船会社の損(為替差損益)を補うための割増料金をいいます。
こちらも航路によって異なる名称が使われることがあります。

【同意の名称をもつ用語】
CS (Currency Surcharge)
YAS (Yen Application Surcharge)
                 など

一般的には、基本運賃(ベースレート)の何% で価格が決められています。

こういった略称にたくさん出会ってしまうのが貿易実務です。
すぐには身につきませんし、貿易初心者としては、勘弁してくれ!といいたくなってしまいますよね…。

ましてや、何でその費用を私達が負担しなければならないの…と思うのも中には存在します。

最後にまとめとしてBAFやCAFを含む数々のサーチャージを表に整理したので参考にして下さい。

種類目的価格の目安
BAF
(Bunker Adjustment Factor)
燃料費の変動リスクをカバーするため1TEUあたり数百ドル程度
CAF
(Currency Adjustment Factor)
為替レートの変動リスクをカバーするため運賃の数パーセント程度
EFA
(Environmental Fuel Fee Adjustment)
燃料節約技術の導入による削減分の補償運賃に対して数ドル程度
PSS
(Peak Season Surcharge)
繁忙期や需要が急増した場合に適用される運賃の数パーセント程度
PCS
(Port Congestion Surcharge)
港湾作業や機器の改修費用の負担を目的として適用されるコンテナあたり数十ドル程度
LSS
(Low Sulphur Surcharge)
環境保護の為に船舶が低硫黄燃料を使用することによって発生する費用を補填1TEUあたり数百ドル程度
ISPS
(International Ship and Port Facility Security Code Surcharge)
ISPSコードによるセキュリティ費用の負担を目的として適用されるコンテナあたり数十ドル程度

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