輸出入は世界中のパートナーと協力する事で、あなたのビジネスを無限に近く拡げる事が出来る魅惑的な手段です。
しかしその一方、輸出入はリスクの塊と言っても過言ではありません・・・。
でも曖昧にリスクと言われてしまったら、不安が募ってしまうだけでとても輸出入ビジネスなんか出来やしません。
そこでここでは輸出入の三大リスクに焦点を合わせて、その危険性を一緒に考えてみたいと思います。
リスク1.契約上のリスク
簡単に言えば契約通りでは無いと言うリスクです。
あなたはビジネスをスタートする際に、相手と一体どれだけ厳密に契約を行っていますか??
こう言われてしまうと、かなりドキッとしてしまう人が大半では無いでしょうか?
契約とはビジネス上での約束です。
これをそうこうするから、幾らをいつまでにどの様に支払うと言う交換条件の取り決めです。
あなたはどうやって約束していますか?
最終的には口頭での約束は、日本の契約書でよく出てくる信義誠実の原則が通用する相手でなければ国際間では全く意味を成しません。
国内間でもそうですが、いずれにせよペーパーによる取り交わしが無ければビジネスでは約束として成立しないと言う事を、先ず重々と理解する必要があります。
どう言う条件を盛り込んでいますか?
一番簡単なのは注文書と言う個別契約書に、必要最低限の条件を盛り込んだ取り交わしになるでしょう。
でも一枚の紙切れでは複雑なビジネス上での約束と言うのを、全て書き切るという事は先ず不可能です。
海外からの注文書の裏書には、びっしりと読めない位の小さな文字で多数の条件を記載しているものもありますが、それでさえも全てを網羅しているかと言えば・・・そうではありません。
注文書以外に基本契約書などを締結するから大丈夫と思われる方もいるかもしれません。
しかし、輸出入ビジネスでの全てのリスクが予想され、それを文章で完璧に網羅する事が出来るとしたら、輸出入上でのリスクと言うのは既に撲滅されているのでは無いでしょうか?
Accident may happen…。
予期しない事故と言うのは常に有り得てしまうと言う事を忘れてはいけません。
リスク2.代金回収のリスク
ビジネスですから必ずお金の受け渡しと言うのが発生します。
国際間では外国為替や外貨と言うのが存在します。
為替リスクはそれぞれでのリスクと言う事でここでは割愛しますが、ここでのリスクとは簡単に言えばタイミングです。
イメージして下さい。
国内でさえ現金を持っての同時取引はあまり行われていません。
海外との取引は海を隔てて遠隔な為、更に大きなタイムラグが発生します。
どちらかにとっては必ずお金をもらうのが後(売り手の場合)になるか、商品をもらうのが後(買い手の場合)と言う不利な事態が発生します。
本当に同時取引をするのであれば、双方がお金と商品を持って集合する必要がでてきてしまいます。
ギャング映画よろしく、キャッシュをアタッシュケースに詰めて持参し、ブツとお金を双方が確かめ合ってから、一斉に交換をするCOD(キャッシュ・オン・デリバリー)しか無いのです。
タイミングのギャップが大きくなればなる程、それは必ずリスクとして跳ね返ってきます。
リスク3.輸送上のリスク
輸送距離が長くなればなる程に、そのリスクは比例して大きくなります。
日本は島国で海に囲まれているので、輸出入輸送では船か飛行機で必ず海を越えていかなければなりません。
陸続きの輸送であっても火災、衝突、荷崩れ、破損、盗難などのリスクが溢れています。
更に船舶には沈没や浸水、航空では墜落などのリスクがプラスされます。
しかしながらこれらの数限り無い輸送上のリスクは、海上貨物保険などでリスクヘッジをするのが普通なので、金銭的にあまり深刻になる必要は無いかもしれません。
でも万一この様なトラブルが発生した際には、必ず納期遅延等の二次的リスクが発生してしまうと言うのは忘れてはなりません。
契約のリスク、代金回収のリスク、輸送上の三大リスクは、切っても切れ無い相互に繋がり合った関係です。
予め想定して対策を立てているのであれば、最早それはリスクじゃないと言えます。
予めリスクを正しく考えると言う事が、本当のリスクヘッジなのだと考えます。